畳店の構造改革が業界活性化の鍵 〜挑めばチャンス・逃げればピンチ〜
「生産の超近代化」

 畳仕事を増やすには、計画を立て、それに沿って営業活動を行い、その結果を分析してまた次の計画を立てる・・・という活動を継続して続けていかねばなりません。そのためには、それを行う人が必要になります。それでは一体、構造改革で最も重要な「経営する人」「営業する人」を作り出すのにはどうすれば良いのでしょうか?



 「営業する人がいない」「営業するひまがない」というのは、営業以外の仕事、すなわち畳の製造に時間を費やしているからです。生産を効率化し、人と時間に余力が出来れば、その人員を営業へまわすことができ、「売り上げを伸ばす活動」をする事が出来ます。

 例えば、夫婦二人で経営する畳店の場合、職人であるご主人が割付・裁断や框巻き作業を担当し、奥様が両用機を使って作業をされている場合が多く見られます。これが、もし奥様だけでこれらの作業をこなすことが出来れば、ご主人は営業・経理・経営に専念することが出来るようになります。親子二人でやっておられる場合も、ご主人・息子のどちらか一方で生産をこなすことが出来れば、もう一人は営業中心に活動できるのです。

 このように、生産をうまく効率化出来れば、営業するための時間と人を創り出すことは可能なのです。
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 デジタル製造機器というものがあります。コンピュータによる数値制御(NC)で、あらゆる加工を正確にこなすシステムです。これまで熟練した職人が永年の経験とカンを駆使して行ってきた作業が、作業を初めて日の浅い従業員でも熟練の職人と同等の商品を「簡単・正確・迅速」に出来る、夢のようなシステムです。

 この「デジタル化システム」を畳製造の分野に取り入れたシステムがあります。このシステムは、新畳の場合は部屋の寸法を、表替えの場合は畳の寸法をデジタル測定器で測定し、そのデータを元にコンピュータで割付図面の作成を行って、1厘単位の精度で畳を製造することができるシステムです。

 このシステムを使えば、面倒な採寸作業や難しい割付計算の必要がありません。機械の使い方と基本的な畳製造の知識があれば、数週間でベテラン職人並の作業をこなせるようになります。面倒な作業が無くなれば、より効率的な畳製造が行えますので、生産能力もアップし、さらには製造以外に費やす時間を創出することが出来るのです。 
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 畳製造は典型的な職人型伝統産業で、寸法も尺・寸・分を使っているくらい歴史のある世界です。一人前の仕事をするには2〜3年の修行が必要で、なかなか今の若い人には受け入れがたいものがあるようです。

 ところが、近代的な生産設備と、経営思想を持った「企業」となれば話は違ってきます。大学を新卒した息子や、家業を継ぐのが嫌でサラリーマンをしている息子などが、次々と後継者として名乗りを上げるようになります。若い作業員も、「見習い工募集」ではなくて「オペレータ募集」となれば、どんどん採用出来ることでしょう。

 畳店は、近代的な製造設備の導入と、企業的な経営を行うことが出来れば、若い人にとっても自分の実力を発揮できるすばらしい職場となりうるのです。
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 畳の製造原価とは何でしょうか? 畳の製造原価は、表・床・縁・糸等の「材料費」+機械償却、整備費等の「工場経費」+作業する人間の「人件費」のトータルです。ところが、中小畳店ではこの「人件費」に関する意識が極めて低い所があります。「あなたのお店で1畳作るのに必要な人件費はいくらですか?」と質問しても、答えが返ってこないのです。

 実は、この「人件費」というものが、畳の製造原価に占める割合は意外に高く、これがお店の利益を圧迫する要因になっているのです。逆に言えば、ここを抑えることが出来れば畳製造コストは大幅に抑えることが出来るのです。

 生産の超近代化は、この「人件費」を削減することが出来ます。これまで二人の職人が、2セットの機械を使って製造していた量の畳を、デジタル化製造システムでは一人の、しかも熟練工ではない人で製造することを可能にします。
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