畳店の構造改革が業界活性化の鍵 〜挑めばチャンス・逃げればピンチ〜
「意識改革と企業革新」



 会社というものは、長い間同じような活動を続けていると、ある一定の型にはまってしまい、新しいことが出来なくなる体質になってしまいがち。しかもそれは会社の中にいる人にはわかりにくいもの。気がつけば世の中の流れから取り残されたということは良くあることです。昨今の「自動車メーカーのクレーム隠し問題」「鉄道事業者の安全軽視体質」なども、「いままでもこうやってきたんだから・・・」という体質が招いた結果です。政治の世界、官公庁などからも、同様の印象を受けることがあるでしょう。

 そんな中、優れた企業はこの「悪しき慣習」に気づき、こぞって変わろうとしています。日産自動車などはその良い例でしょう。皆、停滞する企業に新しい風を送り込んで活性化を図り、時代の流れを追いかけているのです。

 畳店の場合はどうでしょう?畳という歴史のある製品を扱っていますから、つい「これまでの慣習」に従ったやり方になりがちなのではないでしょうか。永年の慣習が常識と化し、「時代とのギャップを感じつつも改めることが出来ないはがゆさ」を感じていませんか?

 この「慣習」をもう一度見直し、「これが当たり前」という考え方から「こうしてみてはどうだろう」という考え方へと意識改革を行うことが、お店の発展には欠かせないのです。


 
(1) 「良い仕事さえしていれば、お客様はやってくる」
 腕に自信があり、誇りをもっている畳店様の中には、待ちの姿勢を美徳と考え、積極的に営業活動することは恥ずかしいことだと考えている所があります。また、これまで大手ゼネコン・工務店からの仕事を中心に活動してきた畳店様では、「放っておいても定期的に仕事が来るから大丈夫」と考える所もあります。 ・・・・
 
 しかし、地域社会での横のつながりが乏しくなった現代では、以前のように良い仕事をする店の評判は周りに伝わっていきません。畳工事をしようと思った人は、周りの人に「どこか良い所知らない?」と聞いたりしないで、タウンページやインターネット、新聞の折り込みチラシなどの情報をもとにお店を探しているのです。それでもお願いする先がわからなければ、近所のホームセンターやリフォーム店などのライバル業界へと流れてしまいます。
 また、住宅着工数が減少し、その上住宅から和室の数が減少してる現在では、工務店からの下請仕事は減少傾向です。

 こんな時代ですから、自分の持つ技術、お店の特徴を積極的にアピールすることは、決して恥ずべき事ではありません。いくら良い仕事をしていても、それを周りに知らせることが出来なければ、仕事はやってきません。待ちの姿勢では、せっかくのチャンスを失ってしまいまうのです。
 
(2) 「機械に頼るのは職人として恥。機械で作る畳は安売りの畳だ」
 「畳は熟練と経験とカンで作るモノ。技術があって初めて職人としての仕事が出来る。」
決して間違いではない考え方ですが、次の世代に対してもそう言い切れますか?・・・・・

 時代の流れと共に、仕事に対する考え方も変わってきています。
(3) 「チラシを配るのはみっともない」
・・・
(4) 「他人が作ったものは信用できない。仕入れて売るのは職人じゃない」
 お客様から、「テレビでやってたあの商品、扱ってないの?」と聞かれたとき、どう対応しますか?「うちでは、これしかやらないよ。」と頑なに拒んでいませんか?

 もしここで、「これですか?とてもおすすめですよ」という対応が出来れば、例えそれが小さな商品であったとしても、お客様に「自分の必要なモノが揃っているいいお店」というイメージを植え付けることができるのです。
 また、お客様は世の中の流れに敏感です。一人のお客様がほしがっている商品は、きっと他のお客様もほしがっているはずです。

 お客様はお店を信用して商品を買います。例えそれが仕入商品であっても、信頼のおける店主が胸を張って勧めれば、安心して買うでしょう。自分のこだわりだけでなく、お客様の望むモノを提供していくという発想が、これからの畳店には必要です。
 
(5) 「うちの畳は最高の品質なので、アフターサービスなど必要ない。」
 畳店は製造業でありながら、小売業・サービス業なのです。
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 畳業界は、代々世襲で続いている所が多い業界です。皆様の中にも、生まれたときから畳屋で、当然のことのように後を継いで、生業としてやってきたという方は多いのではないでしょうか。さらには、従業員を雇わずに自分の家族だけで経営しているいわゆる「家業」的畳店が非常に多く見られるのもこの業界の特徴と言えるでしょう。

 このような「生業・家業」的考え方のままでは、企業としての成長は多くを望めません。会社と家庭が渾然一体とした状態では、会社の儲けた利益と、かかった経費の対比が曖昧になりがちで、明確な損益が見えてきません。また、「家族」という関係は、気心が知れているのでコミュニケーションがとりやすいという良いところもありますが、馴れ合いになったり、仕事と家庭の区別がつきにくいといった問題もあります。

 代々世襲の所は、「仕事のやり方」が親から子へ受け継がれ、長い時間をかけて自分たちのスタイルを確立していらっしゃることでしょう。ですが、あまりにも今のやり方にこだわり続けていると、時代の変化に取り残され、”気がつくと周りは遙か先まで進んでしまっていた”ということにもなりかねません。

 これまでの「生業・家業」的な考え方から「企業的」な考え方へ発想の転換をすることによって、今後の成長が望めるのです。
 

 
(1) 職場と家庭、仕事と個人の生活を明確に分ける
 職場と家庭の線引きがしっかりしていないと、人・モノ・金の区別ができなくなってしまいます。仕事でたまったストレスも、家庭に戻ればゆっくりと癒されるもの。この線引きがなければ、いつまでも仕事の重圧から解放されず、やがて意欲や効率が下がってしまいます。

 お金についても、職場での出費と家庭での出費は明確に分けておかないと、お店の収益がわからなくなってしまいます。

 職場と家庭では人の立場も、モノやお金も違います。両者をはっきりと分けることが大切です。
企業としてお店の収益を管理するために最も必要なことです。
(2) 家族でも働きに応じた給料を
 家庭を出て一歩職場に入れば、それまでの家族の関係がは社長と従業員にかわります。従業員ですから、当然働きに応じた給与を与え、労働時間を管理し、休日も明確にしていかなくてはなりません。

 人件費も畳の製造原価の一部です。家族だからタダというわけではありません。自分の働きがお店を動かしていることを感じ取ることができるので、モチベーションアップ効果も!
(3) 損益計算を明確にして理解
 畳1枚作るのにいくらかかったか正確に判りますか?畳表、縁、糸、畳床、製造にかかった人件費、注文をもらうのに要した人件費、機械の償却費、その他管理経費等、1枚の畳には様々な費用発生要因があります。これがはっきりしていないと、畳を売っても本当に儲かったかどうか判らず、「売れど儲からず」になってしまいます。

 利益や製造原価、作業工数と工賃の考え方をお店の全員が判るようにして、お店の損益をはっきりとさせて、本当の利益が見えるようにしましょう。 
(4) 整理整頓された明るい職場
 暗く雰囲気の良くない職場は、そこで働く従業員だけでなくお客様にとってもマイナスイメージ。お客様は畳のことをよく知らないもの。誰もがちょっぴり不安を抱えてお店にいらっしゃいます。お店に入るのに躊躇するような雰囲気では、せっかくの仕事を取り逃がしてしまうことも!

 お客様あっての畳店です。整理整頓が行き届き、従業員の表情も軽やかに応対できる明るい職場を目指していきましょう!
(5) 広くお店を知っていただくためのPR活動
 お客様から工事の注文をもらうためには、まず、お店のことを良く知ってもらわないといけません。畳工事はそうそう頻繁に行うものではありませんから、お客様にとっては、「さて、どこに頼んだらいいのかな?」という場合がほとんどです。このときに「お店の知名度」がものをいいます。

 「そういえばあそこに看板があったなぁ」「このあいだ広告が入っていたぞ」と思っていただけるように、お店のことを周りにアピールしていきましょう。
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