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畳業界21世紀への生き残り戦略
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畳業界21世紀への生き残り戦略

畳業界21世紀への生き残り戦略 畳業界21世紀への生き残り戦略

1996年8月1日 発刊
頃安 新(極東産機株式会社 前会長) 著
B6版 92ページ小冊子



 私は畳業界に入って今年で満40年になります。その間色々な変化がありましたが、多くの伝統産業の中で、畳業界は比較的順調に進展し、多くの業者が生き残ってきました。しかし現在は、政治・経済・社会において、明治維新・終戦に次ぐ大変革期であるといわれています。特に産業界は激変しており、熾烈な企業の生存競争が繰り広げられています。

 その中で畳業界だけが、例外であることは不可能です。変化に対応する意識改革と、生き残り計画を実行するための知恵と行動力が必要です。

 私共は機械メーカーですが、十年位前から畳業界に対してカタログ等を通じて色々な提案をしてまいりました。畳組合総会や青年部集会等の要請を請け、”畳店生き残り戦略”を中心としたお話もして参りました。
 また最近、各地で材料商を中心とした”畳店の生き残り戦略”をテーマにお話をしてきましたが、「将来の畳店経営の方向を示すものだ」「かみ砕いた説明でよく判り考えさせられた」「息子(親父の場合もありますが)にも話して聞かせたいので、コピーが欲しい」「是非この内容を印刷物にまとめて配布して欲しい」等の強い要望が相次ぎ寄せられ、意欲的な若い後継者の方に少しでも役立つならばと、小冊子にまとめることに致しました。

 多分に独断と偏見もあり、読みづらい点もあろうかと存じますが、何卒ご解読の程よろしくお願い申し上げます。
頃安 新
 

■書籍の内容■

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営業力による成功事例 (S市のS畳店)
 東北のS畳店は7年前位からパソコンを使って顧客管理をやっておられます。今回パソコンのリプレースをされました。近所は沢山住宅がある所で、ここは表替えと襖の張り替えを主力にやっておられます。
  最初パソコンと縫着装置を納入された時は、4000万円位の売上だったと記憶しておりますが、今、1億円の売上をされています。 もっともっとやることが出来るのですが、この方、非常に堅くて、半径10km以内で徹底したチラシ作戦と顧客管理をされて、内容を充実されておられます。
 これでどんどんリピートが出て来たということで大変成功されています。 極東の勉強会にもパネラーでやってもらいました。 
 それから、畳を5階まで直接上げられ、索引のできる車『スカイポーター』の1号機を導入され、表替え専用に上手に使っておられます。
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宝の山を掘り起こす (K県のT畳店)
 首都圏の畳屋さんで、私共のコンピュータシステムのフルラインを入れておられます。そこが、次男坊に、支店を出すということで相談がありました。もちろん、その地域に足掛かりは何も無かった。ただ住宅が沢山あって仕事が有るだろうということで、そこに出された訳ですが、建物を借りて支店を出されました。
  3名の従業員を募集し、若い人を採用されました。生産設備としてコンパクトラインを導入しました。新人に機械の指導を20日間行いました。最初の一年で大体6000万円の売上をされました。畳の表替えだけで一年間で6000万円です。
  上手なチラシを自分の所で作って、それを、12ヶ月地域を分けて出す戦法でやられました。2年目は約8000万円の売上になり、かなり利益も上がって来ました。 この支店のノウハウを活かして、今度は、もう一店スタートされました。一つの店舗で1億円を計画にしておられます。 
 そのやり方は、4時間ないし5時間で最高80畳の表替えが出来る様な設備を入れる。朝8時から10時までに引き取って来た畳を、大体午後の3時位までに作って、その日のうちに納入する完納型で現金でもらってくる。こんなことが都会ではできるのですね、私が宝の山と言ったのはそういうことなのです。
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支店展開をされる (F県のIさん)
 九州で営業所展開、グループ展開で急成長されている畳店があります。10年前に畳博が神戸であった時お会いしました。
 初めて九州から本州へ来たんだと言って、畳博で『こういうライン化した機械が出来ないかなと思っていましたら出来ていました』と言ってびっくりされ、帰ってから一週間目に2000万円のお金を持ってコンピュータシステムの注文に来られました。こんなことは珍しいことです。
 非常に意欲の有る方で、その時の売上が確か4500万円位だったと聞いていますが、今年5月に久し振りで社長他幹部の方にお会いしました。現在、6億5000 万円の売上をされているとのことで、売上10億企業を目指されています。
 表替えと襖が主力ですが、若い人を沢山入れて大変に巧く経営をされています。『極東さんとこの機械を入れたのが発端でお陰で、現在のようになりました』と喜んで頂いております。
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極東の提案書を信じて、思い切った合理化をされた (O県のM産業)
 40代位の職人さん2人と、20代位の人2名、それから社長が40代位です。その5人で大体年間 8000畳位で 6000万円位の売上をしていた。ここは2ヶ所で両用機・框巻裁断2組の機械を使って職人さん4人でやっていた。
 それを1ヶ所にして2人で今やっている数量の倍は十分作れますという提案書を作成して見せますと、『よし それじゃぁ思い切ってやろう』ということで、2800数十万円の投資をされた。6年のリースで月々478,000円です。
 据付後、大変喜んで頂いて、『本当に今までと見違えるようなやり方が出来だした』と喜びの電話を頂きました。製造は20代の2人に任せることになった。40代の職人さんには年間480万円づつ払っていた。その2人が浮いた訳です。機械のリース代どころじゃない。設備を入れた途端から利益が上がって来る。
 その人達が他の仕事をして自分達の給料分だけ稼げば、リースは月々478,000円ですから、30万円近く利益が出る計算になります。実際は営業の増加で仕事を増やしそれ以上の利益が出るでしょう。これはコンピュータ式コンパクトラインを導入した例の一つです。
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奥様が主人を工場から追放 (G県のI畳店)
コンピュータシステムというものの威力と言うのは凄いですね。ここは私共の機械を入れておられましたが、コンピュータシステムになっていなかったのです。裁断機も平刺も入れているのに、どういうことだったか、恐らくその時は、ご主人が抵抗したのか、職人さんが抵抗したのか、コンピュータだけが入っていなかった。いわゆる、オンラインシステムになっていなかったということなのです。そのためにどうだったかというと、そこのご主人がズーと工場に張り付いて、割り付けして、裁断機にデータ打ち込み、生産の管理をして、とにかくご主人が製造関係にずっと関わっていた訳です。
  ある日、奥さんと二人で私共の会社へ来られて、私共のモデル工場を見て、奥さんが『おとうちゃん、このコンピュータが一つ有ったら、おとうちゃん工場におらんでもいいじゃないの、私がやれるじゃないですか』ということで、長年の抵抗を打ち破ってコンピュータを入れられた。それで、もうご主人が工場の生産と殆ど無関係になってしまった。 月々3万程度の安価なパソコン一つが、御主人を本来やるべき仕事の方へもって行ったということです。
  この間も東北のある畳屋さんで同じようなことがありました。工場が100m以上離れているからパソコンをもっているだけで、オンラインにしていなかったのです。それでノートパソコンという便利なものが有りますよということで、このノートパソコンを導入しました。割り付け寸法は事務所で全部うちこんで、そしてノートパソコンを工場に持って行って、その工場の機械に差し込むだけで全部割付データーが入ってしまう。それで終わりです。その畳店のご主人が喜ばれたのは勿論のことです。パソコンの威力というのは大したものです。
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素人の若主人が即工場長になった (I県のH畳店)
 H畳店には職人さんが2人おられて、ご主人と3人でやっておられた。ところがそこには娘さんしかない。娘さんは銀行へ勤めていたのですが、婿さんをもらった。ある日、銀行を辞めてその若い夫婦が後を継ぐということになって当社へ来られた。ここにはコンピュータ式の両平刺機が入っていたが完全なコンピュータシステムになっていなかった所です。
  今度は自動両返し縫機と積上ロボットを買いたいということで、勉強も兼ねておいでになったのです。私は、若夫婦にお話をしました。『あなか方その機械を買って帰っても、少しは能率が上がりますが、ベテランの職人さんが2人おられて、何年もその職人さんに頭が上がりませんよ。割り付けはどうするのだとか、この機械の寸法合わせはどうするのか、教えてもらうことばかりで、若主人だと言っても、工場で雑用させられることになりますよ』と。 帰って工場に入った瞬間にあなたが若主人として工場の責任者になれるような方法を教えて上げましょうということで、予定されていた予算の使い方を変えて、コンピュータ式の自動両框裁断機とパソコンとを入れることにしてもらった。 奥さんは銀行でコンピュータの端末を使っておられたから、畳の割付方法は直ぐに覚えてしまわれた。御主人もコンピュータシステムや機械の勉強をして帰られました。
 機械導入後は奥さんが部屋の寸法をパソコンに打込んで割付をされると、データ(寸法)がそれぞれの機械に光ファイバーでオンラインで送られますので、床を差し込んだら寸法通り自動的に床の裁断が出来る。両平刺機もデータを打ち込まなくても自動的にクセ取りをやってくれるので、割付・裁断機操作のベテランの職人さんは浮いてしまった。 その養子さんは即工場長的な役割をするようになられた。これがコンピュータシステムの威力です。 もしそのようにしていなかったら、あれやってくれ、これやってくれと言われて職人さんにこき使われて、そしてまともに技術を教えてくれないし、自分で苦労して3年も4年も掛かって畳の作り方をおぼえることになっていたことでしょう。
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僅かな追加投資で歓喜の声 (O県のO畳店)
或るメーカーの生産設備を検討されていた。『その予算より僅かの追加投資でコンピュータシステムにすることが出来、大変な効果がありますよ』一度会社のモデル工場へ来て見て下さいということで、会社に来られました。極東の機械を見て色々話をし、コンピュータシステムというものの良さを分かって頂いた。その時は分かるというよりも、むしろ少々無理やりに分からされたということだったかも知れません。帰ってから思い切って注文された。
 機械を導入後、私に電話が掛かってきました。私が不在でしたので何回も何回も電話を掛けて来られた。ようやく私が電話口に出た時、『やぁ、社長の言われる通りにして良かった。あの時前の計画でやっていたら今頃えらい後悔するところだった』と。700万円程予算が増えた訳で、2000万円から 2700万円 になったが、コンピュータシステムにするだけで、その人の喜びが一段と違って来た訳です。
 話が少しそれますが、私は営業マンにもコンピュータシステムの良さを強調するのですが、どうしても受注のし易い単品を受注する。単品を売った所のお客様は、一年経って会っても、『極東の機械入れましたよ』という言葉が聞かれる程度ですが、多少無理をしてでもシステムとして設備投資をされたお客様は、畳博で会うと、『あの時は無理押しをされ、どないして払おうかと心配でしたが、一年経った今、思い切って良かったと喜んでいます。社長のおかげで売上が倍になりました』と必ず喜んで頂けます。 だからシステムとしての設備投資を私共は絶対に勧めている訳です。
 しかし、設備投資をして商売が必ず伸ばせて行けるという見通しのある畳店でなければ勧められない訳です。色々な資料から、ここはその地域の一番店になって生き残ってもらわなければならない、と判断した所にはどんな無理をしてでも、強引に説得します。 コンピュータシステムは導入してみないと本当の良さが分かりません。投資総額が張りますので、つい、現在の機械を残します。それがどれだけ投資効果を悪くするかということです。
 また、よく落とすのは裁断機です。それを入れてオンラインにすると効果が倍増します。何故それをやらないかというと、割付や従来方式の裁断作業が無くなれば、そのお店の一番の職人さんの技量を発揮する場が無くなってしまう。それが、非常に大きな抵抗になっている場合が多いようです。O県のOさんも裁断機を中古にし、コンピュータを除いての計画であったものを、私が強引に説得した例です。
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床メーカーが即畳メーカーになる (H県のO畳店)
これは、全国的に随分お手伝いをしました。床メーカーさんが床だけでは食べて行けないということで、畳製造分野へ転向された例を御紹介します。
 ある日、家族全員で会社に相談に来られました。藁床のJIS工場となって頑張って来たが、時代が変わり将来を考えると今のままで食べてゆけない。どうしたらよいでしょう。という話でした。 京阪神も近いし、床出しをしていた畳店の得意先もあり、場所もある。此の際思い切って畳メーカーになられてはどうですか。というと、5000万位の設備投資をされ、コンピュータ式フルラインを導入されました。
 最初は大変な苦労をされました。全員で企業努力をされた結果、工場は奥さんとあと2人で悠々と日産100〜120畳位を生産され、ご主人は営業外回りで安定した企業経営をされています。最近の話では、税金を1000万も納めるという嬉しい心配をされていると聞いています。 
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設備投資後五年で売上四倍に (I県W畳店)
 I県のW畳店は、親子2人で年間売上 2500万円の売上規模の畳店でしたが、息子さんは積極的で営業力もあり、忙しい時は外注も使ってやっておられましたが、会社見学に来られ、思い切って年間売上をオーバーするコンパクトラインの設備投資をされました。 最初は心配もあったようですが、生産に自信が出来、営業案内も作り、積極的な営業展開をされ、一年後には売上を2倍にされました。
 今年で6年目になりましたが、5月の『たたみ博』では『売上が1億をはるかに越えました』と嬉しい報告を受けました。生産力に自信を持ち積極展開をされた一例です。
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二代目の結婚を機に、家業から企業へ (I県のA畳店)
I県のA畳店の親子が会社見学に来られたのは、3月中頃でした。最新のコンピュータ式スーパーミニラインの実演を見られ、お父さんがとても積極的で『これからの畳店はこれだ!』と親子ご相談の上、導入のご決断をされました。4月末には結婚式とのことで、それでは花嫁さんにも即畳店の仕事をしてもらうのだから、それまでに機械を入れようということになり導入しました。
 それと同時に、新しい設備の写真の入った営業案内を1000部作成しました。従来の仕事は、一人で出来るようになったので、お父さんは営業案内を持って営業に専念され、家業から企業に脱皮されました。一年後には嬉しい成果が聞けるものと期待しています。
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生産の合理化で余った人で更に事業の拡大を (O県A畳店)
O県A畳店は仕事量が多く、現在の設備では残業が多く利益が上がらないと言うことで、親子で御相談に来られました。 色々話を聞いてみると、生産設備に問題があり、職人さんに本給と同額位の時間外手当を払っていました。 そこで現在の設備に、1700万円の追加投資をして完全にコンピュータ式フルラインにし、人を減らして、時間外を無くして、現在以上の仕事が出来るようにしました。
 更に、余った一人の職人さんに別の倉庫でスーパーミニラインを導入し、1日40畳以上の表替えを含む地場の仕事をすることを提案しうまく実行されています。全投資金額はリース契約で、毎月の時間外給与分の6割位で支払い出来るようになりました。利益の出る体質に変わった訳で、一年後を楽しみにしています。
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